俺多分ドラマの主人公

大瀬戸日舎(にっしゃ)

大学1年生。大瀬戸。このブログを読めば心がちょっとドラマチックになる。

半年前の三ツ矢サイダーと将来の夢

 


久しぶりに自室を掃除した。

 

 

 

掃除する前は別に普通の清潔度の部屋だと思っていたけれど、いざ本気を出して掃除してみるといかに汚かったかということを思い知った。髪の毛チン毛スネ毛など体毛はもちろんのこと、何ヶ月前のものか分からない一粒残ったハイチュウ、高校の卒業式の時に買ったであろう謎に寄せ書きがされてある三ツ矢サイダーなどが当時の形を綺麗に保ったまま出土した。

 

 

 

そんなこんなで掃除をしていると、俺が幼稚園の時の卒園アルバムが出てきた。綺麗にラミネート加工された表紙には幼年期特有の大小バランスの狂った文字で

 

 

 

「よぅちえんのぉもいで」

 

 

 

と書いてあった。懐かしくなってしまい掃除の手を止めてアルバムを眺める。俺は年少、年中、年長とあるなかで年中から入ったため2年分の写真しか無いのだけど、それでも漫画3冊分くらいの厚みはあった。

 

 

 

 

前半のページを見るのにも飽きて、パラパラとページをめくっていると、最後に「しょうらいのゆめ」というコーナーが出てきた。それぞれの夢に合わせた可愛い衣装のイラストにそれぞれの顔がはめ込まれるというかなり手の込んだつくりになっていて、自分ではないクラスのものもまじまじと見てしまっていた。

 

 

 

 

自分のクラスを探す。年長さんクラスの時はうめ組だった。しばらくページをめくるとそこには13年前の俺が今とあまり変わらない笑顔でそこに立っている。

警官の制服を着て。

 

 

 

 

 

俺の"しょうらいのゆめ"は警察官だった。嘘だろ?警察官?といまいち何かが引っかかるような疑問を頭の上の方に持ち上げてしばらく考えていると、その時のことを思い出した。

 

 

 

 

 

確か合唱のように園児がステージに並び、名前を呼ばれ次第各々の夢を大きな声で叫ぶというものだったのだけど、俺はその時夢が無かった。夢が無かったんだ。だから、俺の一個前に発表するやつの夢をそのまま答えようとしたんだった。思い出した。

 

 

 

 

 

幼稚園といえば夢に困らない時期だと思う。いわば現実というものを知らないし、またその現実すらひっくり返すくらいの可能性に満ち溢れている。そんな時期に夢が無くて隣のやつの夢をパクるだなんて、そりゃあ大学生になってインターネットの片隅でブログなんざを始めるわけだ。

 

 

 

 

 

それで今の俺に夢はあるのかというと、残念なことに依然として具体的なものは無い。

 中学生の時に陸上で1,2回だけいい成績を残した時には周りからの声もあり、一瞬だけ陸上選手が頭によぎったが、すぐに「さすがに陸上じゃ食ってけねぇだろ」と目を覚まして高校入試に備えてせかせかと受験勉強などをしていた。

高校時代もよく考えれば夢なんか無かった。夢について語るくらいなら友達と集まってあいつは誰が好きだとか、誰々はエロいだとか、そんなクソほどの役にも立たないクソみたいな話をしていたかった。それに俺の高校はいわゆる進学校という位置付けだったこともあり、夢を追うとかそういうことをする前にまず受験だった。

 

 

 

 

俺は人生を通して夢が無い。何か小説やら映画やらに影響されて「◯◯になりてぇ」と突発的に思ったことはあるが、それも3時間も経てば忘れていた。

 

 

 

 

 

それでも、俺には確かに夢は無いけれど、目標はある。

こういう書き方はずるいのかもしれないが。

 

 

 

 

 

それは「楽しい家庭を築く」というもの。

確かに、確かに俺には夢はずっと無かった。けれど、こういう願望というか目標と言うか、人生の延長線に存在していて欲しい未来というようなものはいつからかこれだった。

 

 

 

というのも俺は、俺を不自由無く育ててくれた両親に大きく感謝はしているけれど、その親と絶望的に馬が合わない。別に喧嘩ばかりではないし、それだけで不幸せなわけでは無いけれど、何か違うような、雰囲気が自分に合っていないサークルの飲み会に来ているような違和感が人生を通してずっとあった。一人っ子ということも大きく関係しているのだろうか。

 

 

ともかく、そんなこともあり俺はいつからか「家族全員がくだらないことを言い合って爆笑できるような、楽しくてあたたかい家庭を築きたい」と思うようになった。

 

 

 

今こうして考えると、これが一番難しい。願望が現実社会に肉薄すればするほど自身の人間力を問われるから。実現不可能な夢をずっと言い続けるのは楽なことだ。

 

 

 

 

夢見る少女じゃいられない、いや俺は最初から夢見る少年では無かったが、だからこそ他人より現実と戦う準備はできているのかもしれない。こっちは18年ウォーミングアップしてきてんだよ、なんてな。

 

 

 

大学一年生の夏休み、夜中にPCを引っ張り出してこんなくだらないことをダラダラと書くような自意識を持つ人間なんじゃ、とても警察官にはなれなさそうだ。